「チャンスを逃さないよう必死」 R：新褲子の元メンバーをはじめ、彭さんの周りには日本で生活をしている友人が多いようですが、ご自身は海外での生活、もしくは北京以外の都市での生活は考えませんか？

P：日本で生活する友人たちの話を聞くと、そう楽な生活ではないみたいですから、わざわざ苦労しに海外に移り住まなくてもいいかなと思っています。ただ、上海は北京と違って、利益重視で物事が動きますので、私たちミュージシャンにとっては非常に仕事がしやすい都市でもあります。北京だと結構いい加減だったりしますから。ただ、人間でいうと、やはり北京で生活している人間の方が圧倒的に面白いですね。

R：北京オリンピックの開幕式は明日ですが、北京オリンピックに対してはどういう思いですか？

P：世界に中国を知ってもらう意味では、非常にいいチャンスだと思いますよ。まだ、本当の中国を知らない人が多いですからね。海外ツアーで知り合う人たちのほとんどが、日本のことは詳しいのに中国のことは知らないですからね。

R：それでは、10年後の中国はどのような姿になっていると思いますか？

P：今とそれほど変わらないんじゃないですかね。日本人は、国土は狭いし、資源も限られているので努力をしなければという意識が強いのでしょうが、中国人は、国土は広いし、ひとまず何でも揃っているから焦る必要もないと思っている。10年後は、中国人も日本人のように一生懸命物事に取り組んでいたらいいですよね。多くの中国人に、一生懸命さが欠けています。

R：ご自身はどうですか？

P：常に焦っているかな。せっかくのチャンスを逃がしてはいけないと、必死になっているかもしれません。

R：最後に、北京は好きですか？また、北京で一番好きな場所はどこですか？

P：ライブなどで国内各地を回りましたが、やはり北京が一番好きですね。場所でいうと、南鑼鼓巷（＊） が好きです。私の周りでも南鑼鼓巷周辺が好きな人間が多いですよ。今では、賑やかな場所になってしまいましたが、以前はとても静かだったんですよね。でも、今でもやはり好きでよく行く場所ですね。
＊中央戯劇学院：北京にある国立の演劇大学。中国の女優、コン・リー、チャン・ツィイーなどが卒業生。
＊賈樟柯：1970年山西省出身の映画監督。2006年ヴェネチア国際映画祭にて『三峡好人』が金獅子賞を受賞。
＊南鑼鼓巷： 昔、太鼓職人が多く暮らしていたことからこの名称がついたと言われている。今では、カフェ、バー、レストランなど、四合院をリノベーションしたショップが並ぶ、北京の人気スポットのひとつ。

（インタビュー：2008年7月28日）

彭磊に影響を与えた5つのあれこれ
[1]父親−−新しい事をするのが好き
[2]映画『STAR WARS』−−幼い頃に初めてみたSF映画
[3]映画『トレインスポッティング』−−流行りの代表
[4]ラモーンズ−−いつ聞いてもとても若い
[5]アンディー・ウォーホル−−複製しても一つとして同じ物はない





「BYE BYE DISCO」新褲子
*彭磊本人の許可を得て、音源を提供しています。